高齢者の栄養不足

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」の2015年版で、初めて高齢者の低栄養や栄養欠乏について注意が促されました。
この手の資料は、中高年の食べ過ぎ飲み過ぎによるカロリー過多を注意する目的であることが多いのですが(成人病予防)、一人暮らしや老人だけの家庭が増え、それに伴い栄養不足による健康問題が増加という高齢化社会の新たな問題を提示しています。

高齢になっていくと、食が細くなります。
食に対する意欲が減退しているのも問題なのですが、当初は加齢による節々の傷みから始まります。
歳をとると膝や腰が傷むという話はよく耳にする話ですが、そうなると当然運動量は減少します。

加齢が進むと筋肉量は低下しがちですが、それに運動不足が加わると、筋肉量は下降の一途を辿ることになります。
一人暮らしの食事ですと単調になりがちです。
食事を楽しみながらとるというより、余りものやお茶漬けで済ませてしまい栄養は偏りがちです。
またあっさりとしたものを好む傾向になり、どうしてもタンパク質が足りなくなってしまうのです。

栄養不足を防ぐには

一人暮らしですと食事の準備も自分一人だけですので、作る意欲もなかなかわきませんし、量の調整が難しいものがあります。
その場合、スーパーやコンビニの惣菜を利用し、自分では作らないものや思いつかないものにチャレンジして食の幅を広げてみるのも一つの手です。
いくら運動を行うようにしても、一度に食べる食事の量は限られています。

3食合わせても、1日の摂取量に届かないことがあると思います。
そのため3食だけでなく、間食を入れてみるのも手段の一つです。
間食は良くないといわれていますが、それは3食で必要なエネルギーを摂取している場合や、寝る前の夜食の場合であり、3食で必要なエネルギーを摂取できない午前10時や午後3時のおやつに限ってはそれに該当しません。

お菓子や果物でエネルギーを補填するだけではなく、お茶や牛乳などで水分やカルシウムの補充も同時にとることができます。
タンパク質は肉や魚類だけに含まれているのではありません。
大豆や牛乳にも含まれています。

これらはタンパク質が含まれていますが、アミノ酸組成が違ういわば別物です。
どれかを集中的に摂取するのではなく、バランスよく摂取することが理想とされています。

食欲をだすには

食事を意欲的に摂取するには運動を行うのが一番良いのですが、高齢者で運動となるとやはり敷居が高いように感じるでしょう。
ですが惣菜を買うために出歩く、気分転換に散歩するなどとにかく“歩く”ことを中心に初めてみてはいかがでしょうか。
歩けばお腹は空きます。

最初は理想とする栄養素をすべて摂取することはできなくても、歩いているうちに食も太くなっていきます。
そうして目的に近づければよいのです。